「留保」と「流出」の意味

  • 2021/09/24
税務・会計の話

「留保」と「流出」の意味

墨田区錦糸町の税理士事務所、糸井会計の草野です。

 

法人税の申告書で核となるのが、別表四です。

 

別表四は、

 

会計上の利益の金額(会計学に基づいて計算される業績)を

 

税法上の所得の金額(税金計算の基礎となる金額)に

 

直すプロセスが記載された表です。

 

記載の方法は、さまざまな文献やブログで紹介されているので割愛します。

 

 

今回は、別表四に登場する「留保」と「流出」という言葉の意味について説明します。

 

一般的な、留保と流出の意味は、読んで字のごとくでしょう。

 

 

しかし、別表四において、

 

ある金額が、なぜ、留保となり、又は、流出となるのか理解するのは大変です。

 

 

理解の仕方を1つ紹介します。

途中、論理が破綻する点がありますので、

最後に補足します。

 

 

やさしく説明しても、私の中では以下がいっぱいいっぱいです。

 

 

(別表四の「留保」の意味)

 

一時的に税金として流出しても、

 

損金(税法上の経費)として認められた時期に、

 

社外に税金として流出せず、留保されること。

 

 

これが別表四における留保の意味です。

 

 

将来、流出しない時期がくる金額を、留保される金額と言います。

 

将来への影響を想像しないといけないので、

 

一般的な留保の意味と比べると理解しにくいですね。

 

 

 

(別表四の「流出」の意味)

 

上記の「留保」が理解できていると仮定します。

 

すると、流出の意味はこうなります。

 

別表四の「流出」とは、永遠に留保される時期がこないという意味です。

 

 

(理解が難しいのは・・)

 

納税充当金の留保です。

 

納税充当金という言葉も分かりにくいので、

 

ここでは、納税充当金のことを、

 

赤字でも、毎年(毎期)、必ず払う税金とします(正確には、法人税均等割りといいます)。

 

 

毎年、必ず一定額を払うので、節税に貢献しない金額です。

 

つまり、損金(税法上の経費)でないのは明らかです。

 

でも、「留保」の項目になります。

※納税充当金のうち事業税については、納付した期に損金算入されますが、この点の説明は割愛します。

 

先ほど書いたように、

 

留保とは、将来、流出しない時期がくる金額です。

 

この税金、将来、流出「しない時期は来ない」ですよね。

 

だって毎年、必ず流出(損金にならず)するのですから。

 

でも留保となる・・堂々巡りです。

 

 

なぜ、この税金が留保なのか、奥深い理由がありました。

 

細かいことはさておき、

 

法人が解散し、清算所得を計算する際には、損金「的」な扱いができるそうです。

 

つまり、法人が解散した時、計算される所得からは減額され、

 

いわゆる留保「的」に扱われるということになります。

 

これを知ったとき、私は感動しました。